AI検索では大手ブランドが強い?旅行カテゴリの調査から読む、中小サイトが入り込める「体験・主観」の領域

By: ai-taco

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AI検索では、すでに知名度のある大手ブランドばかりが紹介されるのでは、と心配する声があります。SEJが紹介したBrightEdgeの旅行カテゴリ調査は、その懸念を数字で裏づけつつ、質問の種類によっては中小サイトにも余地があることを示しています。この記事では、調査の内容と、その読み方、実務への活かし方をまとめます。

調査の概要:何を測ったのか

BrightEdgeの調査は、休暇シーズンの旅行に関する質問を対象に、Google AI OverviewsとChatGPTでのブランド露出を比較したものです。順位ではなく、追跡対象のAI回答にブランドがどれだけ登場するかを示すシェアオブボイス(露出の占有率)で測っています。プロンプトは、インスピレーション(行き先探し)、比較、予約意図の3つに分類され、ブランドはホテル、航空会社、予約プラットフォーム、クルーズ会社に分けられています。YouTubeやRedditなど旅行以外のプラットフォームは、カテゴリ別ランキングから除外されています。なお、記事ではクエリ数や調査期間などの詳細は確認できません。

カテゴリごとのリーダー

  • ホテル:AI OverviewsではHiltonが28.3%、ChatGPTではMarriottが29.4%で、エンジンごとに首位が異なる
  • 航空会社:American Airlinesが両方で首位(AI Overviewsで26.6%、ChatGPTで25.3%)
  • クルーズ:Royal Caribbeanが両方で首位(AI Overviewsで24.8%、ChatGPTで28.8%)
  • 予約プラットフォーム:AI OverviewsではExpediaが31.3%でKayakの14.4%の約2.2倍。ChatGPTでは差が約1.4倍

多くのカテゴリで同じ大手が両エンジンの上位に並ぶ一方、ホテルのようにエンジンで顔ぶれが変わる分野もあります。AIごとに参照する情報源や傾向が違う可能性を示しており、1つのAIだけを見て判断しない方がよさそうです。

質問の意図で、登場する顔ぶれが変わる

調査では、予約意図のプロンプトはAI Overviewsの追跡対象のうち9%にとどまりました。その中で、予約プラットフォームが名前で挙がる割合は38%で、インスピレーション系の12%を大きく上回っています。さらに、「安い」「お得」「格安」「直前」といった価格寄りの語を含む回答では、予約プラットフォームが78%に登場(それ以外の回答では17%)し、Expedia単独でも44%でした。ただしBrightEdgeは、これは観察された関連であり、その言葉を使えば登場する、という因果の証拠ではないとしています。

一方、インスピレーション系の質問では、YouTube、Reddit、AAAといった存在感が目立つとされています。ホテルやクルーズは比較系の質問でより登場し、予約プラットフォームは予約意図の質問で強い、という分担が見えてきます。

中小サイトにとっての入口:主観と体験

記事の筆者は、小規模サイトがAIの回答に入り込む入口は、主観や体験が価値を持つ領域だと見ています。個人の旅行ブログのように、実際に行った人の判断や感想は、大手の公式情報やプラットフォームでは出しにくいためです。筆者は、Redditが強いのは専門性ではなく体験の量であり、専門性や権威性で勝負できる余地がある、とも述べています。ただし、これは筆者の見解で、調査自体がその理由を説明しているわけではありません。

実務で何をすべきか

  • 自社の質問を意図で分類する:行き先・選び方の相談(インスピレーション)、比較、購入・予約の3つに分け、どこで自社が出ているかを確認する
  • 主観的な質問に、一次体験で答えるページを作る:実際に使った・訪れた人にしか書けない情報、写真、判断基準、失敗談を入れる
  • 価格・予約の領域は、無理に大手と正面から競わない:価格比較が強い領域は、プラットフォームの露出が大きい可能性がある。自社の強みが出る意図を優先する
  • 複数のAIで確認する:エンジンごとに首位が違うため、AI OverviewsとChatGPTなどを分けて見る
  • 認知と信頼を積み上げる:クラシックな検索と同じく、ニッチで認められるには指名での認知や信頼が土台になる

組織的にAI検索対策を進める考え方は、GEOを全社の課題として扱う記事でも触れています。

読むときの注意点

これは旅行業界の、特定の調査会社による分析です。他の業種にそのまま当てはまるとは限りませんし、調査の標本数や期間は記事からは分かりません。数字は「傾向を見るための材料」として扱い、自社の業界では同じ形で偏りがあるかを、自分のプロンプトで確かめるのが確実です。

まとめ

  • 旅行カテゴリでは、大手が両AIの上位を占める分野が多いが、ホテルのようにエンジンで首位が異なる分野もある
  • 予約意図や価格寄りの質問は、予約プラットフォームが強い。ただしこれは因果ではなく観察された関連
  • インスピレーション系の質問は、YouTubeやRedditなどの比重が高く、体験や主観を持つサイトに余地がある
  • 自社の領域で、質問の意図別・AI別に露出を確認することが出発点になる

参考記事

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