AI検索時代は被リンクだけでは不十分?ブランド言及とエンティティが新たなSEO評価軸に

By: tacos14

ふるさと納税
アマゾンプライムセール

AI検索時代は被リンクだけでは不十分?ブランド言及とエンティティが新たなSEO評価軸に

長年、SEOにおけるサイトの権威性は、主に被リンクの数や質によって測られてきた。

現在も被リンクがGoogle検索順位に与える影響は大きい。上位表示されるページほど多くのリンクを集めており、多くのマーケターも被リンクを重要なランキング要因だと考えている。

しかし、GoogleのAI OverviewやChatGPTなどのAI検索が普及するなかで、サイトやブランドの信頼性を判断する仕組みは変わりつつある。

AI検索では、リンクが設置されているかどうかだけでなく、Redditでの議論、YouTube動画内の発言、ポッドキャストの文字起こし、レビュー、SNS上の言及などもブランド評価の材料になる可能性がある。

そのため、これからのSEOでは、被リンクだけを増やすのではなく、ブランド名、サービス名、専門分野、評判をさまざまな場所で一貫して認識させる「エンティティSEO」が重要になる。

被リンクは今も重要だが、それだけでは足りない

AI検索が登場したからといって、被リンクの価値がなくなったわけではない。

記事で紹介されているBacklinkoの分析によると、Google検索で1位に表示されるページは、2位から10位のページと比べて、約4倍の被リンクを持っているとされる。

また、uSERPの調査では、約70%のマーケターが、被リンクは検索順位へ「大きな影響を与える」と回答した。残りの約30%も「中程度の影響がある」と回答しており、被リンクが無関係だと考えている回答者はいなかった。

つまり、従来型のGoogle検索において、被リンクは依然として主要なSEOシグナルの一つである。

ただし問題は、被リンクが機能しなくなったことではない。

被リンクだけでは、AI検索におけるブランドの信頼性や専門性を十分に説明できなくなっていることだ。

AI検索はリンクされていないブランド言及も読んでいる

従来の検索エンジンは、ページ間のハイパーリンクをたどり、その数や質をもとにウェブサイトの重要性を評価してきた。

一方、AI検索や生成AIは、必ずしもリンク構造だけを中心に設計されているわけではない。

AIは大量の文章、会話、動画の文字起こし、レビュー、Q&A、ソーシャルメディア上の投稿などを解析し、特定のブランドや企業がどのような文脈で語られているかを理解する。

たとえば、ある企業名がRedditで繰り返し紹介されていたり、YouTubeの専門動画で高く評価されていたりしても、必ずしも公式サイトへのリンクが設置されているとは限らない。

しかしAIは、リンクのないブランド名の言及であっても、その企業が特定分野で認知され、評価されていることを示すシグナルとして利用できる。

これが「アンリンクド・ブランドメンション」と呼ばれるものだ。

今後は、リンクされていないブランド言及も、AI検索で回答候補に選ばれるための重要な要素になる可能性がある。

RedditやYouTube、ポッドキャストもSEO資産になる

AI検索におけるブランド評価では、公式サイト以外のプラットフォームで、どのように語られているかが重要になる。

具体的には、次のような情報源が考えられる。

  • Redditや専門フォーラムでの議論
  • YouTube動画内でのブランド名や商品名の言及
  • ポッドキャストの会話や文字起こし
  • 商品レビューやサービス評価
  • LinkedInやXなどでの専門家による言及
  • ニュース記事や業界メディアでの紹介
  • Q&Aサイトやコミュニティ上の推薦

これらの場所でブランド名が一貫して登場し、特定のテーマと結び付けられていれば、AIがそのブランドを専門性の高い存在として認識しやすくなる。

たとえば、ある企業が「法人向けサイバーセキュリティ」に強い会社である場合、公式サイトでそう主張するだけでは不十分になる可能性がある。

業界メディア、顧客レビュー、専門家の投稿、動画、イベント、ポッドキャストなどでも、その企業がサイバーセキュリティと関連付けて語られていることが重要になる。

つまり、コミュニティでの存在感は、広報やSNS施策だけではなく、AI検索時代のSEO資産にもなり得る。

エンティティSEOとは何か

こうした複数の情報源を通じて、ブランドの意味や専門領域を検索エンジンに理解させる考え方が「エンティティSEO」だ。

エンティティとは、人、企業、製品、場所、サービス、組織、概念など、明確に識別できる対象を意味する。

従来のSEOでは、特定のキーワードがページ内に何回含まれているか、どのページからリンクされているかといった要素が重視されてきた。

エンティティSEOでは、それに加えて、検索エンジンやAIが次のような関係性を理解できる状態を作る。

  • そのブランドは何者なのか
  • どの分野を専門としているのか
  • どの商品やサービスを提供しているのか
  • 誰が運営しているのか
  • どの地域で活動しているのか
  • どの企業や人物と関係があるのか
  • 第三者からどのように評価されているのか

これらの情報が公式サイト、SNS、レビューサイト、メディア記事、プロフィール、構造化データなどで一致しているほど、AIはブランドを明確な存在として認識しやすくなる。

AI検索では「どこからリンクされたか」だけでなく「何者として語られているか」が重要

被リンク中心のSEOでは、どのドメインからリンクを受けているかが重要だった。

AI検索時代には、それに加えて、ブランドがどのような文脈で語られているかが重要になる。

たとえば、企業名が頻繁に言及されていても、毎回異なる事業内容で説明されていたり、会社名の表記が統一されていなかったりすれば、AIが正確に理解できない可能性がある。

逆に、さまざまなサイトやプラットフォームで一貫して「特定分野の専門企業」として説明されていれば、リンクがなくても強いブランドシグナルを形成できる。

そのため、今後のSEOでは次のような一貫性が必要になる。

  • ブランド名の正式表記
  • 商品名やサービス名
  • 企業の説明文
  • 専門分野
  • 所在地や対応地域
  • 創業者や代表者情報
  • SNSプロフィール
  • OrganizationやPersonなどの構造化データ
  • 外部メディアに掲載される紹介文

公式サイトだけを最適化するのではなく、ウェブ全体でブランドの意味を統一することが重要になる。

AEOへの関心も拡大

AI検索への対応として「AEO」という言葉も注目されている。

AEOはAnswer Engine Optimizationの略で、日本語では「回答エンジン最適化」などと訳される。

従来のSEOが検索結果ページで上位表示されることを主な目的としていたのに対し、AEOでは、AI検索や音声検索、生成AIの回答内で、自社の情報が引用・参照・推薦されることを目指す。

AIは検索結果のリンク一覧を表示するだけでなく、複数の情報を統合して直接回答を生成する。

そのため、企業側は単にページ順位を上げるだけでなく、AIが理解しやすく、回答に利用しやすい情報を提供する必要がある。

AEOでは、次のような要素が重要になる。

  • 質問に対する明確な回答
  • 正確な企業・著者情報
  • 一次情報や独自データ
  • 構造化された見出し
  • FAQ
  • 構造化データ
  • 第三者サイトでの言及
  • ブランドと専門テーマの一貫した関連付け

エンティティSEOとAEOは別々の施策ではなく、互いに強く関係している。

被リンク獲得コストは上昇している

AI検索でブランド言及が重要になる一方、被リンク獲得市場のコストは下がっていない。

記事で引用されているuSERPの調査では、約半数のマーケターがリンク構築に毎月5,000ドルから1万ドルを支出しているという。

さらに、比較的権威性の低いサイトからのリンクでも、1本あたり約300ドルかかるとされ、前年から約8%上昇している。

被リンクが依然として検索順位に影響するため、企業の需要が高く、価格も上がり続けていると考えられる。

しかし、被リンクだけに毎月多額の予算を投入しても、AI検索で十分な成果が得られるとは限らない。

これからは、リンク獲得予算の一部を次のような施策へ振り分ける必要がある。

  • ブランド認知の拡大
  • YouTubeやポッドキャストへの出演
  • 業界コミュニティへの参加
  • 顧客レビューの獲得
  • デジタルPR
  • 専門家によるブランド言及
  • 構造化データの整備
  • 一次情報や調査データの公開
  • AI回答に引用されやすいコンテンツ制作

被リンク施策を単独で運用するのではなく、ブランドとエンティティを強化する戦略の一部として位置付ける必要がある。

ドメインオーソリティだけを追うSEOの限界

これまでのリンク構築では、ドメインオーソリティやドメインレーティング、参照ドメイン数などが主要な評価指標として使われてきた。

これらはリンク獲得先を比較するうえで便利だが、AI検索でブランドがどのように理解されているかまでは示さない。

たとえば、高いドメイン評価を持つサイトからリンクを獲得しても、リンク周辺の文章が自社の専門分野と関係していなければ、エンティティシグナルとしては弱い可能性がある。

反対に、リンク自体はなくても、特定分野の専門家や顧客がブランドを具体的に推薦していれば、AIにとって有益な信頼シグナルになる可能性がある。

そのため、リンクの本数やサイト評価だけでなく、次の点も確認する必要がある。

  • どのテーマのページで言及されているか
  • ブランド名の周辺にどのような言葉があるか
  • 誰が言及しているか
  • 肯定的、否定的、中立的のどれか
  • 同じテーマで継続的に言及されているか
  • 他の信頼性の高い情報源と内容が一致しているか

被リンク分析とブランド言及分析を一体化することが、AI検索時代の評価方法になる。

GoogleのAI Maxで広告側にも変化

AIによる変化は、オーガニック検索だけに限らない。

Google広告では「AI Max」によって、従来のキーワードターゲティングや動的検索広告では拾えなかった検索語句にも広告を表示できるようになりつつある。

AI Maxは、広告主が登録したキーワードだけでなく、ランディングページ、広告文、ユーザーの検索意図などをAIが解析し、より幅広い検索に広告をマッチさせる仕組みだ。

これによって、長文の検索や会話形式の検索、従来は広告対象になりにくかったロングテール検索にも広告が表示される可能性がある。

Googleは、AI Maxによって新たに収益化できる検索が大幅に増えると説明している。

さらに、AI Maxが通常のショッピングキャンペーン内でも確認されているとされ、商品広告にも活用範囲が広がる可能性がある。

AI Maxによってオーガニック検索の競争も激しくなる

AI Maxは広告の配信対象を広げる機能だが、SEOチームにとっても無関係ではない。

AIによって広告が表示される検索語句が増えれば、これまでオーガニック検索だけで獲得できていたロングテール検索にも広告が入る可能性がある。

AI Overview、通常の検索結果、ショッピング広告、検索広告が同じ画面上で競合すれば、自然検索の表示領域はさらに狭くなることも考えられる。

そのため、オーガニック検索チームと広告チームが別々に施策を進めると、同じ検索語句を奪い合ったり、同じランディングページへ重複投資したりする可能性がある。

企業は、次のような点を両チームで調整する必要がある。

  • どの検索意図をSEOで獲得するか
  • どの検索意図を広告で獲得するか
  • どのランディングページを使用するか
  • ブランド用語をどのように統一するか
  • AI回答、自然検索、広告の役割をどう分けるか
  • 同じ検索語句への重複投資をどう防ぐか

SEOと広告を別々のチャネルとしてではなく、一つの検索戦略として管理する必要性が高まっている。

AI広告はガバナンスも重要

AI Maxのような自動化機能では、人間の担当者が登録していない検索語句にも広告が表示される可能性がある。

配信範囲が広がることは、新規顧客の発見につながる一方、企業にとって望ましくない検索や文脈に広告が出るリスクもある。

そのため、自動化を有効にするだけではなく、次のような管理が必要になる。

  • 除外キーワード
  • ブランド除外
  • オーディエンス除外
  • 配信地域
  • 入札上限や入札下限
  • ブランドセーフティリスト
  • 不適切な検索語句の監視
  • ランディングページの制限
  • コンバージョン計測の精度確認

AI広告を「設定後は自動で運用できる機能」と考えると、無駄な広告費やブランド毀損につながる可能性がある。

AIの配信範囲が広がるほど、人間によるルール設定や監視の重要性も高くなる。

SEO・広報・広告・SNSの分断が不利になる

AI検索時代には、従来のような部署ごとの分断が成果を妨げる可能性がある。

SEOチームが被リンクを獲得し、広報チームがメディア露出を増やし、SNSチームがブランド言及を作り、広告チームがAI Maxを運用していても、それぞれが異なるブランド説明を使っていれば、AIは企業の全体像を正しく理解できない。

たとえば、公式サイトでは「中小企業向けAI支援会社」と説明しているのに、広告では「業務効率化ツール」、SNSでは「マーケティング会社」、外部メディアでは「システム開発会社」と表現されていれば、ブランドの専門性が分散する。

これを防ぐには、企業全体で次の情報を共有する必要がある。

  • ブランドの正式な説明
  • 主要サービス
  • 対象顧客
  • 専門テーマ
  • 優先キーワード
  • 信頼性を示す実績
  • 使用する商品名やカテゴリ名
  • 避けるべき表現
  • AIに認識させたいブランドとテーマの関係

AI検索への対応は、SEO部門だけの仕事ではなく、企業全体の情報設計に関わる課題になっている。

今後企業が行うべき4つの施策

記事では、AI検索と広告自動化への対応として、企業が行うべき実務的な施策を示している。

1.リンクのないブランド言及を調査する

従来の被リンク分析だけでなく、Reddit、YouTube、LinkedIn、ポッドキャスト、レビューサイトなどで、自社がどのように言及されているかを確認する。

単に言及数を数えるだけではなく、どのテーマと関連付けられているか、肯定的か否定的か、競合他社と比べてどの程度存在感があるかを調べることが重要だ。

2.エンティティシグナルを整理する

公式サイト、SNS、企業プロフィール、構造化データ、外部メディアなどで、ブランドの説明が一致しているかを確認する。

企業名、サービス名、代表者、所在地、専門分野、対応地域などがバラバラであれば修正し、AIが同じ企業として認識しやすい状態を作る。

3.SEOと広告の計画を連携させる

AI Maxを広く有効化する前に、SEOチームと広告チームで検索語句、ランディングページ、ブランド表現、顧客層を共有する。

広告と自然検索が同じ検索意図を奪い合わないようにし、それぞれの役割を決める必要がある。

4.AI Maxの管理ルールを先に設定する

広告費が異常に増えてから対策するのではなく、AI Maxを拡大する前に、除外設定、入札ルール、ブランドセーフティ、配信対象などを決めておく。

自動化の範囲が広いほど、事前のガバナンスが重要になる。

被リンクから「ブランド全体の信頼性」へ

これまでのSEOでは、良質なコンテンツを作り、権威性の高いサイトから被リンクを獲得することが、上位表示の基本戦略だった。

この考え方は今後も有効だが、AI検索の普及によって評価対象は大きく広がっている。

AIはリンクだけでなく、ブランド名がどこで、誰によって、どのような文脈で語られているかを読み取る。

そのため、今後は次のような複数の要素を組み合わせる必要がある。

  • 高品質な被リンク
  • リンクのないブランド言及
  • 顧客レビュー
  • 専門家からの評価
  • 一貫した企業情報
  • 構造化データ
  • 独自データや一次情報
  • コミュニティでの存在感
  • AIが引用しやすい明確なコンテンツ
  • SEOと広告の連携

被リンクの数だけを追うSEOから、ブランド全体の信頼性と意味をウェブ上に構築するSEOへ移行している。

まとめ

AI検索の普及によって、検索エンジンがブランドの権威性を判断する方法は変化している。

被リンクは現在も検索順位へ大きな影響を与える重要な要素だが、GoogleのAI OverviewやChatGPTなどは、リンクだけでなく、Reddit、YouTube、ポッドキャスト、レビュー、SNSなどに存在するブランド言及も参照できる。

その結果、リンクが設置されていなくても、特定分野で繰り返し語られ、信頼されているブランドは、AI検索で評価される可能性がある。

企業は、被リンク構築を停止するのではなく、エンティティSEO、ブランド言及、構造化データ、デジタルPR、コミュニティ施策と組み合わせる必要がある。

同時に、Google広告のAI Maxによって、広告対象となる検索語句も拡大している。SEOと広告を別々に運用するのではなく、検索意図、ブランド表現、ランディングページ、ガバナンスを一体的に管理することが重要になる。

AI検索時代のSEOでは、「何本リンクされているか」だけではなく、「そのブランドがウェブ全体で何者として認識されているか」が、これまで以上に重要な評価軸になる。

参考記事

コメントする

サーチエンジンブリッジ・ブリッジロゴ
SEOの架け橋サーチエンジンブリッジ