英国のオンライン薬局が、2026年1月から8月にかけて推定月間オーガニック流入を3,790から14,626に伸ばした、という事例が紹介されています。これはDTC SEO Agencyによるケーススタディを、英国のビジネスメディアが解説したもので、数値はAhrefsの推定値です。記事自身も「他社での成果を約束するものではない」と断っています。数字そのものより、再現しやすい考え方に注目してみましょう。
Table of Contents
事例の概要
この薬局は、大手薬局チェーンや資金力のある遠隔診療企業がひしめく、英国の健康分野で競っていました。紹介されている主な成果は次のとおりです。
- 推定オーガニック流入は286%増(3,790→14,626)
- Google上位3位に入るキーワードは111から357へ
- ある肥満症治療薬関連のキーワード群は、推定ゼロから月間3,092訪問へ
- 価格比較ページは、6月の推定253訪問から8月に2,421訪問へ
いずれも第三者ツールの推定で、売上や成約の監査済みデータではありません。
教訓1:お客様から見えない問題を先に直す
最初の技術監査では、次の問題が見つかったとされています。
- クロール可能なH1見出しがないページが161件
- 誤ったcanonicalタグが70件
- 重複URL
- 壊れた薬局関連URLが117件超
利用者には普通に動いて見えても、検索エンジンには混乱を与える状態です。記事は、更新頻度を上げたり、広告を出したり、デザインを刷新したりしても、この土台の問題は解決しないと指摘します。コンテンツを増やす前に、既存ページの整理や統合を含め、足元を点検する順序が大切です。
教訓2:購入前の疑問に答える
競争の激しい処方薬の分野で、同社は広い商品名だけを狙うのではなく、価格比較・用量・商品比較といった購入前の疑問に答える方針を取りました。結果として、30本の補助記事を公開し、優先度の高い商用ページ11本を最適化したとされています。
他業種でも応用できます。たとえば、次のような形です。
- 屋根工事業者:修理で済むか、葺き替えが必要かの見分け方
- 自動車整備店:警告灯の意味や点検時期
- 小売店:よく比較される2商品の違い
Googleが言う「人のためのコンテンツ」とは、検索流入を集めるためだけでなく、読み手の役に立つ内容を指します。
教訓3:信頼が差別化になる分野がある
医療のように影響が大きい分野では、信頼性の見せ方が重要です。この事例では開始時点で、チームや資格を紹介するページ、医療コンテンツに関わる専門家の表示が不足していました。その後、薬剤師を関連コンテンツの専門家として明示したとされています。
規制の少ない業種でも、次の要素は共通して使えます。
- 会社情報を明確に示す
- 責任を持つ専門家を示す
- 記事の内容を正確に保つ
- 必要に応じて口コミを載せる
- 連絡先を透明にする
教訓4:流入数の先を見る
記事は、アクセス数のグラフではなく、訪問者がその後に電話・問い合わせ・予約・購入といった行動を取ったかが重要だと述べています。順位やクリック数以外の指標も合わせて設計しておきましょう。
教訓5:成果は直線的に伸びない
推定流入は序盤に増えたあと、4月から7月は月約10,500訪問で横ばいとなり、8月に14,626へ伸びました。上位3位のキーワード数も、1月の111が3月でも120にとどまり、後半に加速しています。クロールやインデックスには時間がかかり、1本の記事や1つの修正で即座に跳ねるとは限りません。一方で、何もせずに待ち続けるのではなく、マイルストーンと事業成果で戦略を点検することが勧められています。
実務で何をすべきか
- サイトクロールで、H1の欠落、canonicalの誤り、重複URL、リンク切れを洗い出す
- 購入前によく聞かれる質問を集め、比較・価格・使い方の記事にする
- 運営者情報と、責任ある専門家の表示を整える
- 成果指標を、問い合わせや成約まで含めて決める
- 数か月単位の見通しで、中間目標を置く
まとめ
この事例が示すのは、特別な裏技ではなく、技術的に健全なサイト、実際の疑問に基づくコンテンツ、信頼できる専門性、丁寧な計測の組み合わせです。成果の数字は推定値であり、代理店が公表した事例である点には注意しつつ、自社の土台から順に点検してみてください。





