ChatGPT、Claude、Geminiなどの生成AIでコンテンツを大量に作る動きが広がるなか、SEOの観点ではリスクが高まっている、という指摘が出ています。米国のEC向けメディアPractical Ecommerceが10月19日付で掲載した、元Search Engine Journal編集長のAnn Smarty氏の記事をもとに、AIを使ってよい場面と避けるべき場面を整理します。
Table of Contents
Googleのガイドラインは何と言っているか
Smarty氏によれば、Googleはここ1年でAI生成コンテンツに関するガイダンスを更新・拡充しています。要点は次のとおりです。
- オーガニック検索で成功するには、独創的で質が高く、読者を第一に考えたコンテンツが求められる(E-E-A-T:経験・専門性・権威性・信頼性)。
- 生成AIで、ユーザーへの価値を足さずに大量のページを作る行為は、「スケールドコンテンツの乱用」に関するスパムポリシーに違反する可能性がある。
- AIを使った場合は、読者に分かるよう開示することが推奨されている。Smarty氏は、これが将来必須になるかもしれないとの見方を示しています(これは同氏の予想であり、Googleの公式発表ではありません)。
Googleは検知を進めている
記事は、Googleが検知に力を入れている兆候も挙げています。1つはAI生成コンテンツを素早く判別できるツール(SynthID関連)の発表です。もう1つは、Googleのアナリストとされる人物が2026年6月に公開した論文で、Webは合成スパム(いわゆる「AIスロップ」)の検知と軽減という「指数関数的な課題」に直面していると述べ、複数の検知手法を提案しているというものです。
また、Googleの検索品質評価ガイドラインは、E-E-A-Tに加えて、コンテンツを作る際の「労力」も重視しています。生成AIは既存の情報を再構成するだけで、個人の経験や意見、観察を加えられない、というのがSmarty氏の指摘です。
事例:Grokopedia
xAIが2025年10月に公開した、Wikipedia風のAI生成百科事典「Grokopedia」は、一時Google検索で目立つ順位を獲得し、数百万のクリックを生みました。しかしGoogleはほぼ即座に対応し、表示を大きく減らしたと記事は伝えています。100%AI生成のコンテンツでSEO上の可視性を維持することは難しい、というのが教訓です。
AIに任せてよい作業
Smarty氏は、人間が作った素材を土台にした「周辺の作業」には向くとしています。
- メタディスクリプション、タイトルタグの案
- 動画の説明文やアクセシビリティ用の要約
- スペックに基づく商品説明
- 人が書いた本文をもとにしたFAQブロック
- 自社データに基づく図表、比較表
- 記事の構成案、目次、コンテンツブリーフ
いずれも、人による正確性のチェックは必須です。
避けたほうがよい使い方
- 著者の独自の知見・経験を売りにする記事本文:AIは経験を持たないため、E-E-A-Tと食い違います。
- SNS投稿:AIの量産投稿は読者に敬遠されやすく、本物の会話の場として使うべきだとされています。
- 法的文書:プライバシーポリシーや利用規約など、拘束力のある文書は弁護士が確認する必要があります。たたき台としての利用に留めましょう。
- リスト記事(まとめ記事):既存のリストを再利用するだけになりがちです。自分で作った独自のリストを渡し、足りない要素の提案を求める使い方が推奨されています。
実務で何をすべきか
- AI利用の方針を文書化し、「下書き・周辺作業はAI、体験・意見・一次情報は人」と役割を分ける。
- 記事には、自社の実データ、事例、写真、担当者の見解など、AIには出せない要素を必ず加える。
- 公開前に事実確認と編集を行い、公開数を増やすこと自体を目標にしない。
- AI利用の開示について、自社の方針を決めておく。
まとめ
AI生成コンテンツそのものが禁止されているわけではありませんが、ユーザーへの価値が薄い大量生産は、スパムと見なされる可能性があります。AIは構成案やメタ情報の作成など補助的な作業に活用し、独自の経験や一次情報を載せた本文は人が書く、という線引きが、これからのSEOでは重要になります。なお、本記事の内容は元記事の筆者の見解を含むため、Google公式の発表と区別して判断してください。












